タミフル/リレンザ /イナビルは どの程度 必要なの?
タミフル/リレンザ/イナビルを使用すると ウイルス性肺炎になりにくくなることを期待して使用しています(が使用していても 重症肺炎になっている子供さんも現実にいます)
数日後にみられやすい脳症は 使用していても残念ながら確実に予防することはできないと思われます
■■ 使用ガイドライン(WHO:平成21年8/21、アメリカCDC:平成21年9/9)では ■■
● 世界中の殆どのヒトが 治療薬を使用しなくても 完治している
1日―3日以内の発熱のあと セキup 7−10日して
3日以上高熱がつづく/2日以内でも熱up咳up/呼吸苦や息切れ/精神変調うわ言 で使用する
●ハイリスク者:肺炎etcを併発しやすい
[妊婦さん・糖尿病/透析/心臓病/慢性肺疾患/喘息などの持病をもつかた・4才以下・高齢者]はなるべく早い時期(24時間ー48時間)に検査をして 抗ウイルス剤を使用する
■■ 日本では 平成21年(2009年)9/20より 厚労省通達により疑い濃厚であれば全年齢で 抗ウイルス剤を使用することになりました ■■
その際 検査診断しない(確定しないで疑いのままで終わる)でも可とのことです
が 確定することは 重要なので できるだけ発熱後24−48時間の時間帯に検査を受けてください
(抗ウイルス剤を使用していてもウイルスを殺しているわけではないのでその時間帯なら充分ウイルスは検出できます
とくに 4才以下での発熱はインフルエンザ以外のノドセキハナカゼ/雑菌を主体とした別物が多いので 原因を確定することが重要になります
--- 以下 は インフルエンザ一般の お話しです ---
インフルエンザとは● ハナのオクをこすってのウイルス検出率
熱発後24時間前後で検査するのがベストです
迅速キットは鼻汁中のウイルス量が10万個以上ないと陽性になりません
熱発直後はウイルス量が少ないので陽性にでにくい
季節性は: 熱発6時間後で70%以下 12時間後で85%以下 24〜48時間後で95%以上 検出されます
AH1pdm09は: A香港型よりウイルス量が少なく 陽性率が2−3割低いようです 熱発直後 ほぼ陰性・ 24時間以内 60%以下・ 24時間後90%
熱発24時間以内の検査は粘膜をこする必要があるので鼻血がでやすい
● 登校登園基準: 平成24年4月から変更しています
タミフルを飲む飲まないにかかわらず
小中高大学校: 発病の翌日から 5日以上 かつ解熱の翌日から2日以上たってから
保育園/幼稚園:発病の翌日から 5日以上 かつ解熱の翌日から3日以上たってから
● アルピニー・アンヒバ・カロナール・コカールは弱めなので使用可能。 強い熱さまし(ボルタレン・ロキソニン・ポンタール・ナイキサン)は使わない
● 1−2m 離れておく:セキクシャミ飛沫は2m以上 広がりません
● 咳クシャミエチケットセキクシャミは袖口で口鼻をおおう 熱があまりなくてセキハナの感冒症状だけであっても1週間マスクをしておくと万一の感染拡大を防げます
● 換気が必要です できるだけ常時 換気しましょう
●加湿が必要です 加湿しすぎても良くありません(壁紙の裏にカビがでてきます)
● インフルエンザウイルスにかかると24時間前後して強い倦怠感and/or熱がでてきます
抗インフルエンザウイルス薬 タミフル内服 リレンザ/イナビル吸入版 ラピアクタ点滴版 です
ウイルスの増殖を抑えつづけて熱セキハナをかるくして 周囲にうつしにくくするクスリです
*A香港型/AH1pdm09型: 抗ウイルス剤を使用し始めると24時間後から効いてきて36時間後には高熱が出なくなって元気いっぱいになります が クスリでウイルスの増殖を抑えこんでいるだけなので4−5日間抗ウイルス剤を 使用しながら 抗体が充分に上昇してくるまで6−7日間自宅でゆったり過ごしてください
*Aソ連型: 2008/2009シーズンから タミフルもB型同様残念ながらあまり著効しません
2009夏からほぼ消失し AH1pdm09がとってかわっています
*B型:2種類あります タミフル・リレンザも残念ながらあまり著効しません セキハナカゼウイルスと非常によく似ています B型はA型より症状がやや軽めです
高齢者を除き 抗ウイルス剤を使わなくても平均3−4日前後(AH1pdm09は1日−3日)で熱がでなくなりセキがおおくなり 10日かけてセキもおさまっていきます
● 抗ウイルス剤を使用してインフルエンザの合併症をおこしにくくしようという年齢があります
★ 妊婦さん、65才以上、透析・糖尿病・心臓病・慢性肺疾患・喘息など持病のあるかた: 肺炎になるリスクが少なくなります
★ 5才くらいまでの幼児: 中耳炎・蓄膿・気管支炎になりにくくなります
原則1才までの乳児はタミフルの処方ができません。乳児では過剰な免疫反応がおきないので熱セキハナとも概ねかるく経過することが多いので安心してください
39度以上の高熱があれば 親御さんと相談の上 タミフルを処方することになります
2007/2008シーズンから インフルエンザ疑いだけでタミフルを処方することが禁止されました→2009/2010から疑い濃厚であればタミフルを処方しても可能になっています
2007/2008シーズンから 10才台の子供さんにタミフルを処方することが禁止されました→ 2009/2010からリレンザの在庫がなければ タミフルを処方しても可能になっています
副作用 クスリなので薬物アレルギーとして体質があわない家系があります
多くは かるい嘔吐下痢腹痛発疹です(ひどくならずに日ごとに良くなっていく場合は 様子みていいです)
10万人に1人と頻度は非常に少ないですが 死亡につながる 重篤な副作用[タミフル内服翌日に輸血が必要になる重症貧血・全身の皮膚粘膜が水ぶくれになってただれる・不整脈によると思われる突然死]があります 副作用を予知する方法は残念ながらありません
初めて抗ウイルス剤を使用するときは2−3日のあいだ注意深くみておく必要があります