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インフルエンザ 季節性

インフルエンザ(季節性)は 長い人生のなかで 必ずかかっていくウイルスです
A型2種類【A香港/AH1pdm09】/B型2種類【山形/Victoria】の計4種類(2009年4月までのAソ連型を含めると計5種類)かかります
子どもさんも毎年10人に1人がかかる ポピュラーなウイルスです
成人になるまでに2−4種類かかって免疫をつけていき その後は免疫減弱とともに10年に1回発熱etcの症状がみられます
4種類しっかりかかって免疫をつけておくと5回目から症状がかるくなります
年齢が大きくなってから初めてかかると 身体の免疫が過剰に反応して症状が強めにでます。
80才以上の高齢者【肺炎になりやすいにうつさないようにして 子どもさんも幼稚園頃から1つずつかかっていきましょう
発熱時はまずクスリでなく冷却/糖分/水分をこまめに補給して24時間のあいだ自宅で観察していくのが初期対応としてベストです
同一タイプの再感染時は低熱/セキハナの感冒症状だけになるのでインフルエンザの季節に セキハナカゼかなと思っても 8日間はマスク着用して咳クシャミエチケットを守りましょう【市販の多くのマスクは不織布なので 衣服と一緒に洗えば再利用できますよ】【マスクはウイルス予防は不充分ですが インフルエンザ罹患時は雑菌に弱くなるので雑菌をもらいにくくなる効用があります】

大流行→必然的に発生してくる重症者数up の事態を避けることが必要なので
ハイリスク者【高齢者/出産間近の妊婦さん/4才以下/持病もっているヒト】にうつさないように していきましょう

ハナをこすってのキット検査は ウイルスが10万個以上ないと陽性にならないので 発熱後12時間できれば24−48時間は自宅で冷却/糖分水分栄養補給/症状のメモ書きでがんばってから 医療機関を受診するようにしてハナのキット検査を受けて必要に応じて抗ウイルス薬をもらって意見書/許可書を書いておいてもらう といったスタンスが重要です

インフルエンザウイルスは特別なウイルスではありません。日本だけの特異な奔走状況に巻き込まれないようにしましょう。
  抗インフルエンザウイルス薬は48時間以内に使用すべきものではありません/ 48時間をこえると自然に解熱していく人達と比べて効果が認められなくなるというレベルのクスリです。
成人では24時間ほど発熱時間を短縮するだけで入院や合併症を減らす効果を認めなかったという研究結果から
2017/6月WHOにおいても 成人での使用は入院して重症化しているケースに限定しましょうと発表しています
  世界中の抗インフルエンザウイルス薬の半分を日本が消費しているという薬漬け状況が毎年つづいています。
  #A型では3−4日間の発熱が→2日ほどに短縮してセキ/ハナが少なく済みます→欠点として免疫が不充分になります
  #B型ではA型のような有益な効果がみられません
  4才以下の子供さんや80才以上の高齢者/出産間近の妊婦さんは24−48時間の間にハナ検査をうけて投薬を受けましょう。
  リスクの少ないヒトは24−48−72時間でハナ検査をうけあと 心配の程度に応じて抗インフルエンザウイルス薬をもらったり/6日後からの登園登校意見書をもらったりするといいでしょう 
  早期の抗インフルエンザウイルス薬の使用でも脳症予防は困難なようです。すぐクスリでなく、糖分カロリー水分の頻回補給と24時間の観察メモ記録が重要になります。

ちなみに インフルエンザウイルスの脳症も 過剰すぎる免疫反応の病態説や 飢餓状態→エネルギー代謝異常おこしやすい素因→脳血管の内皮細胞障害→脳浮腫/脳障害の病態説が有力になってきています 
発熱時はまずクスリでなく糖分/水分をこまめに補給していくのが初期対応としてベストと思われます


季節性(A型/B型)
世界での流行状況は
Global Influenza Programme (who.int) をご覧ください


−−−以下はインフルエンザウイルスの細かなお話です−−−

♪ AH1pdm09(2009年に新型といわれていた型)の動向:
2010年1月に入ってから 日本を含め世界中で 急速に減少したあと 2010年7月8月9月と南半球において前年流行しなかった地域を中心に 例年より少なめに流行しました
Aソ連型にとってかわって 季節性の一つとして 毎年流行を繰り返しています
2011念4月から 新型→インフルエンザAH1pdm09 と名称がかわり 季節性として取り扱うことになりました
AH1pdm09
99%以上のヒトは 軽症で終わっています
1日―3日以内の発熱のあとセキup 10日ほどしてセキもおさまっていく
38.5度以下24時間以内の低熱とセキたまにだけでクスリを飲むこともなく自然治癒していく人もおおいようです
日本での死亡率は1人/10万人 入院率は1人/1000人と低い
過去に流行したインフルエンザウイルスに類似しているため、幼児が初めてかかる風邪ウイルス並に 軽く経過するひとが多いようです
Chinaの報告によると、AH1pdm09感染確定者の最高体温は、32%が平熱、32%が37度台、27%が38度台、9%が39度台です タミフルの使用/不使用にかかわらずウイルスは
平均6日間 検出されています


AH1pdm09の陽性率
迅速キットは鼻汁中のウイルス量が10万個以上ないと陽性になりません。 熱発直後は 迅速キット検査で陽性にでず時間経過とともに陽性率がupします
AH1pdm09/B型2種類はA型よりウイルス量が少なく陽性率がA型より2割ほど低いようです 熱発直後 ほぼ陰性・ 24時間以内 60%以下・24時間後 90%・ 48時間後 ほぼ100%

12時間以内に受診された場合の対応
熱発してノドの赤みやセキがまだでていない時間帯ではハナ検査をしても殆ど白黒がつかないので 時間をおいてもう一度来院していただき できるだけ1回の検査で白黒がつくようにしています
過度に心配されるケースでは 麻黄湯を処方して 24−48時間の時間帯で検査をして 白黒つけるようにしています
♪ インフルエンザ流行時期においても 4才以下ではノドセキハナ風邪ウイルス/雑菌熱が多くみられます

■■ 重症者の頻度はかなり少ないですが 24時間以内にみられやすい息が苦しい息切れ/2−3日後におこりやすい意識障害精神変調うわ言は 救急病院 受診 or 救急車です ■■

タミフル/リレンザ /イナビルは どの程度 必要なの?
タミフル/リレンザ/イナビルを使用すると ウイルス性肺炎になりにくくなることを期待して使用しています(が使用していても 重症肺炎になっている子供さんも現実にいます)
数日後にみられやすい脳症は 使用していても残念ながら確実に予防することはできないと思われます

■■ 使用ガイドライン(WHO:平成21年8/21、アメリカCDC:平成21年9/9)では ■■
● 世界中の殆どのヒトが 治療薬を使用しなくても 完治している
1日―3日以内の発熱のあと セキup 7−10日して
3日以上高熱がつづく/2日以内でも熱up咳up/呼吸苦や息切れ/精神変調うわ言 で使用する
ハイリスク者:肺炎etcを併発しやすい
[妊婦さん・糖尿病/透析/心臓病/慢性肺疾患/喘息などの持病をもつかた・4才以下・高齢者]はなるべく早い時期(24時間ー48時間)に検査をして 抗ウイルス剤を使用する

■■ 日本では 平成21年(2009年)9/20より 厚労省通達により疑い濃厚であれば全年齢で 抗ウイルス剤を使用することになりました ■■
その際 検査診断しない(確定しないで疑いのままで終わる)でも可とのことです
が 確定することは 重要なので できるだけ発熱後24−48時間の時間帯に検査を受けてください
(抗ウイルス剤を使用していてもウイルスを殺しているわけではないのでその時間帯なら充分ウイルスは検出できます
とくに 4才以下での発熱はインフルエンザ以外のノドセキハナカゼ/雑菌を主体とした別物が多いので 原因を確定することが重要になります

--- 以下 は インフルエンザ一般の お話しです ---

インフルエンザとは   
突然しんどさが全面にでて発熱(微熱だけですむこともあります)・腰痛・関節筋肉痛がでて 半日後からセキ・ハナがでてきます。AH1pdm09や/ワクチンをしていたり/かるくかかったり/では初日はかるくなるので セキ/ハナがでだした翌日に熱がでることが多くなります いずれも6−7日間は休んでください

● ハナのオクをこすってのウイルス検出率
熱発後24時間前後で検査するのがベストです
迅速キットは鼻汁中のウイルス量が10万個以上ないと陽性になりません
熱発直後はウイルス量が少ないので陽性にでにくい
季節性は: 熱発6時間後で70%以下 12時間後で85%以下 24〜48時間後で95%以上 検出されます 
AH1pdm09は: A香港型よりウイルス量が少なく 陽性率が2−3割低いようです  熱発直後 ほぼ陰性・ 24時間以内 60%以下・ 24時間後90%
熱発24時間以内の検査は粘膜をこする必要があるので鼻血がでやすい
● 登校登園基準: 平成24年4月から変更しています
タミフルを飲む飲まないにかかわらず
小中高大学校: 発病の翌日から 5日以上 かつ解熱の翌日から2日以上たってから
保育園/幼稚園:発病の翌日から 5日以上 かつ解熱の翌日から3日以上たってから
● アルピニー・アンヒバ・カロナール・コカールは弱めなので使用可能。 強い熱さまし(ボルタレン・ロキソニン・ポンタール・ナイキサン)は使わない
● 1−2m 離れておく:セキクシャミ飛沫は2m以上 広がりません 
●  咳クシャミエチケットセキクシャミは袖口で口鼻をおおう 熱があまりなくてセキハナの感冒症状だけであっても1週間マスクをしておくと万一の感染拡大を防げます
● 換気が必要です できるだけ常時 換気しましょう
加湿が必要です 加湿しすぎても良くありません(壁紙の裏にカビがでてきます)
● インフルエンザウイルスにかかると24時間前後して強い倦怠感and/or熱がでてきます

抗インフルエンザウイルス薬 タミフル内服  リレンザ/イナビル吸入版 ラピアクタ点滴版 です
ウイルスの増殖を抑えつづけて熱セキハナをかるくして 周囲にうつしにくくするクスリです
A香港型/AH1pdm09型: 抗ウイルス剤を使用し始めると24時間後から効いてきて36時間後には高熱が出なくなって元気いっぱいになります が クスリでウイルスの増殖を抑えこんでいるだけなので4−5日間抗ウイルス剤を 使用しながら 抗体が充分に上昇してくるまで6−7日間自宅でゆったり過ごしてください
Aソ連型: 2008/2009シーズンから タミフルもB型同様残念ながらあまり著効しません
2009夏からほぼ消失し AH1pdm09がとってかわっています
B型:2種類あります タミフル・リレンザも残念ながらあまり著効しません セキハナカゼウイルスと非常によく似ています B型はA型より症状がやや軽めです

高齢者を除き 抗ウイルス剤を使わなくても平均3−4日前後(AH1pdm09は1日−3日)で熱がでなくなりセキがおおくなり  10日かけてセキもおさまっていきます

● 抗ウイルス剤を使用してインフルエンザの合併症をおこしにくくしようという年齢があります
★ 妊婦さん、65才以上、透析・糖尿病・心臓病・慢性肺疾患・喘息など持病のあるかた 肺炎になるリスクが少なくなります
★ 5才くらいまでの幼児 中耳炎・蓄膿・気管支炎になりにくくなります

原則1才までの乳児はタミフルの処方ができません。乳児では過剰な免疫反応がおきないので熱セキハナとも概ねかるく経過することが多いので安心してください
39度以上の高熱があれば 親御さんと相談の上 タミフルを処方することになります

2007/2008シーズンから インフルエンザ疑いだけでタミフルを処方することが禁止されました→2009/2010から疑い濃厚であればタミフルを処方しても可能になっています
2007/2008シーズンから 10才台の子供さんにタミフルを処方することが禁止されました→ 2009/2010からリレンザの在庫がなければ タミフルを処方しても可能になっています

副作用 クスリなので薬物アレルギーとして体質があわない家系があります
多くは かるい嘔吐下痢腹痛発疹です(ひどくならずに日ごとに良くなっていく場合は 様子みていいです)
10万人に1人と頻度は非常に少ないですが 死亡につながる 重篤な副作用[タミフル内服翌日に輸血が必要になる重症貧血・全身の皮膚粘膜が水ぶくれになってただれる・不整脈によると思われる突然死]があります 副作用を予知する方法は残念ながらありません
初めて抗ウイルス剤を使用するときは2−3日のあいだ注意深くみておく必要があります

マスコミで云われている異常行動副作用というよりは インフルエンザ熱にともなうものという結論になりそうです
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